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 悩める現代人が織り成す複雑な人間模様を、洗練されたユーモアで包み、ときに抱腹絶倒のコメディとして、ときにシリアスなドラマとして綴りつづけてきた名匠ウディ・アレン監督。本作『人生万歳!』は、そんな彼にとって記念すべき通算40作目(!)の監督作であり、キャリアの“集大成”と呼ぶにふさわしい、珠玉のコメディ映画だ。

 主人公のボリス(ラリー・デヴィッド)は、かつてはノーベル賞候補になりながら、今ではすっかり落ちぶれてしまった物理学者。ある夜、アパートに帰ろうとしたボリスは、南部の田舎町から家出してきた若い女性、メロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)に声をかけられる。

 寒さで凍える彼女を気の毒に思ったボリスは、数晩だけという約束で泊めてやることにする。
 ところが、世間知らずのメロディは、冴えない中年男のボリスと暮らすうちに、彼こそは“運命の相手”だとすっかり勘違いしてしまう。そのうえ、愛する娘の後を追って、メロディの両親が相次いで上京したことから、事態はますますややこしいことに……年齢も知能指数もかけ離れた2人の“ありえない”恋愛の行方は、果たしていかに!?

 05年の『マッチポイント』以降、長年住み慣れた故郷を離れ、ロンドンやバルセロナといったヨーロッパの街で作品を撮ってきたアレン監督だが、本作の舞台は(04年の『メリンダとメリンダ』以来)久々となるニューヨーク! 自由の女神セントラル・パークといったお馴染みの観光スポットから、一度は足を運んでみたい通好みのカフェレストランまで、やマンハッタンの魅惑的な街並みが“もうひとりの主人公”として物語を楽しく彩ってくれている点も見逃せない。

 全米俳優組合のストライキが噂されていた08年〜09年にかけて製作が進められた本作は、アレン監督が70年代中頃に執筆しながら、ある事情でお蔵入りになっていた“幻の脚本”を基に撮影されている。そのため、『アニー・ホール』(77年)や『マンハッタン』(79年)といった全盛期のアレン映画を彷彿させる“都会的で軽快なタッチ”が全編に復活しているのも、映画ファンにとっては嬉しい話題の一つだ。

 自虐的なユーモア満載で、“ウディ・アレン監督の分身”とも言えそうな主人公のボリス役を演じるのは、ラリー・デイヴィッド。全米で90年代に国民的人気を誇ったコメディ・シリーズ『となりのサインフェルド』(89年〜98年)の生みの親として知られる彼は、(テレビ界のアカデミー賞に相当する)エミー賞の常連受賞者で、現代のアメリカを代表する人気コメディアンの一人である。

 また、ボリスの恋人となるメロディ役を演じるのは、エヴァン・レイチェル・ウッド(『アクロス・ザ・ユニバース』『レスラー』)。スカーレット・ヨハンソン(『マッチポイント』『それでも恋するバルセロナ』)からバトンを受け継ぐ形でウディ・アレン映画の新たな“ミューズ”に抜擢された彼女は、私生活でも19歳年上の人気ロック・アーティスト、マリリン・マンソンとの交際で話題を呼んだ、注目の若手女優だ。

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 監督・脚本:ウディ・アレン 出演:ラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド、パトリシア・クラークソンほか 2009/アメリカ/ビスタ/SDDS/91分 提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム

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